コア・サテライト戦略という投資手法があります。

バンガード社のコア・サテライト投資という資料によると以下のように説明されている投資方法です。
ポートフォリオを「コア(核)」と「サテライト(衛星)」の2つに分けて捉えます。長期的な視点に立った投資をコアとし、より特化した短期的な投資をサテライトとして、その双方を保持することを意味します。
・・・がいまいちこの投資方法のメリットが分かりません。

バンガードの資料では以下のようなメリットが挙げられています。
 ● リスクをより幅広く分散
 ● 様々な投資戦略の利点を享受
 ● 市場の上昇下降がポートフォリオに与える変動を抑制
 ● コスト削減
 ● 市場をアウトパフォームする可能性を享受
 ● 定期的(でコストが嵩みがち)なポートフォリオ調整の必要性を低減

ご都合主義過ぎませんかね。
インデックス投資コア・サテライト投資を比較して上に挙げられた6点がどうかを検証してみます。


1.リスクをより幅広く分散
バンガードの資料ではこれに直結する説明が「コア投資としてのインデックス運用」という章に「より分散されたポートフォリオ」という小見出しで出てきます。
しかし、インデックス運用がより分散されたポートフォリオというのであれば、インデックス運用100%のインデックス投資の方がより分散された運用になりそうです。
市場をパフォームフォームするために運用するアクティブ運用マネージャは広く分散しないでしょうし、「サテライト投資としてのアクティブ運用ファンドおよび特化型インデックスファンド」という章では特化型インデックスファンドのようにリスクを高めそうな運用も推奨しています。


2.様々な投資戦略の利点を享受
モノは言いよう・・・というか詭弁の一種に感じます。
ロングショートやレバレッジや集中投資なども組み合わせれば、全部の利点を享受できるのでしょうか?
そんなことはありません。サテライトで集中投資をすれば、インデックス投資のみのときと比べてリスクは上がります。さまざまな投資戦略を混ぜることでその利点のみならずデメリットも享受します。
またロングとショートのように混ぜ方によっては利点を打ち消しあう可能性もあります。
「様々な投資戦略の利点を享受」なんておいしい話はありません。


3. 市場の上昇下降がポートフォリオに与える変動を抑制
ここはいまいちよく分かりませんが、仮にサテライト投資の利点として考えると、バンガードの資料では「サテライト投資には、コア投資との相関が低く、より特化した投資が採用されることがあります。」という部分くらいしか該当箇所がありません。
しかし、インデックス投資から相関が低く特化した投資というものがどれほど存在して、それが他5つのメリットとされる点と共存できるのかが怪しいところです。


4. コスト削減
これはインデックス投資に軍配でしょう。サテライトの方がコストが掛かるのが一般的です。


5. 市場をアウトパフォームする可能性を享受
これも物事の1面しか見ない詭弁の一種に感じます。
インデックス運用を外れれば、市場をアウトパフォームする可能性もありますが市場をアンダーパフォームする可能性もあります。「どっちの方が期待値が高い?」という話であって、コストが高いサテライト投資の方が有利になるとする理由はよく語られていません。


6. 定期的(でコストが嵩みがち)なポートフォリオ調整の必要性を低減
これはよくわかりません。
アクティブ運用で頻繁に銘柄売買してポートフォリオを入れ替えるのではなくてインデックス運用をしていればポートフォリオ調整の必要が減るという話ならば、インデックス運用100%で良いのではないかとも思いますが、そういう話なのかすら不明です。



上で見てきたようにコア・サテライト戦略をインデックス投資と比較した場合、特別にメリットがありそうには思えません。

サテライト運用でリスクの高いファンドでアウトパフォームを狙うというのであれば、インデックス運用部分全体の期待リターン/リスクを上げてはいけないのでしょうか?いずれの方法でも当初予定していたインデックス運用よりも高いリスクをとって高いリターンを狙うという効用は得られます。


インデックス投資のみではドラマもなく自分の判断で投資する楽しみも無いので、投資を楽しみたいという気持ちは分かります。そういう目的での投資はありでしょう。しかし、コア・サテライト投資に投資の成績を向上させるようなメリットは感じられません。


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