ブラック起業ネタ(ワタミがブラック街道まっしぐら?)にいろいろコメントをいただいています。

ということで、この手のネタを続けてみます。

「ブラック企業は良くない」という意見に対する代表的な反論として「嫌なら辞めればいい」というものがあります。

しかし、この反論はいくつか欠点があります。
今回はその一つとして人間を分かっていないという点を挙げさせていただきます。

学習性無力感であるとかDVを受け続ける人がいることを理解していません。
「ブラック企業が嫌なら辞めればいい」という人は、電気ショックを受け続けた犬やDVを受け続けている人にも「えっ、そんなの簡単じゃん。逃げればいいじゃん。」と言うんでしょうね。

しかし、これは合理的判断ができる人の意見です。
残念ながら人間はそんなに合理的にできていません。だからこそDVを受け続ける人もいるわけです。

「ブラック企業が嫌ならすっぱり辞められる」「DVを受けたらすぐに別れられる」という人は理屈の上では正しいですが、人間の心理的メカニズムとしては正しくないと言えるかもしれません。

人には育ってきた環境などもあります。
世の中には「途中で逃げたら負け」「嫌でもまずは3年続けてみろ」という感覚を持った人も多く、そのような環境の中で育った人はたくさんいます。そのような刷り込みがある人は多く、彼らに対して「ブラック企業が嫌なら辞めればいい」はアドバイスになっていません。

高いところで足がすくむ人に「ビビらなきゃいいじゃん」は何のアドバイスにもなりませんし、問題解決にもなりません。


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