「ええ…、ただいまお見苦しい表現がありました。謹んで訂正せずにお詫びします。」


ダウ30種が過去最高値を更新するような世界的な株高の中、Appleの株価が下がっています。以下はここ6か月のApple(青線)及びダウ30種(赤線)のグラフです。
世界的な株高に乗り遅れています。
Apple_Dow


サムスンの出荷台数、アップルのほぼ2倍にアップルのひとり勝ちから各社混戦へ、13年1-3月のタブレット世界市場……米IDC調べというようにAppleの苦戦を伝えるようなニュースが増えています。


これらは事実です。
しかし、これらをもって「Appleが終わった」「Appleは普通の企業に成り下がってしまった」「ジョブズがいれば…」かのように言う人たちは考え直した方が良いでしょう。

Appleは一時よりも株価が下がったとはいえ時価総額で世界トップ(クラス)の企業です。また利益に関しても四半期に1兆円を稼ぐという超々優良企業です。
携帯電話やタブレット端末を売るだけでこれほどの企業になっているとんでもない企業がAppleです。

…で、携帯電話とタブレット端末を作る企業なんです。Macなんておまけですよ。
冷静に考えて、携帯電話やタブレット端末といったコモディティ商品を作る会社の時価総額世界一位ということ自体が驚異です。
参入障壁も低いのだから、多くの後発企業が入ってくれば先行者としての高いシェアを維持できないのは自明の話です。その中でも依然として高いシェアを保っていることそのものが素晴らしい。

時価総額世界一の企業が高成長企業ではないことを指して「Appleは終わった」とか、どんだけAppleへの期待が高いのでしょうか。世界で時価総額トップクラスの長大企業が持続して高成長企業であれというのは無茶な話です。
その期待値通りであれば、アメリカ映画に出てくるような世界を牛耳る企業になってしまいます。そんなことを期待するのは無理な話でしょう。

「ジョブズがいれば…」という声も聞きますが、ジョブズ氏だって7インチタブレットに関しては読み間違えています。彼にiPhone/iPadの次に成功させられるアイデアがあったかも怪しいところです。
ジョブズ氏がいてもティム・クック氏が率いる現実のAppleと同じような道をたどっている可能性が十分に考えられます。(ジョブズという偶像によってiPhone/iPadのブランド力が増して、より売れるという広告塔の効果はありえます)


Appleがダメなのではなく、Appleに期待しすぎている人たちが期待しすぎなのではないでしょうか。


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