日興アセットマネジメントのETFセンター長の今井氏によるETF勉強会に参加しました。
 ・日にち:4月22日
 ・場所:東京ミッドタウンの日興AMファンドアカデミー

メイントピックは上場インデックスファンド日経225(ミニ)の上場に合わせて、上場インデックスファンド日経225(ミニ)で採用した現金拠出型ETFの狙い及びメリットでした。
内容は初っ端から「現物拠出型ETFの理想的な設定フロー」「実務上の困難さからくる各種オペレーション」、そして「現金拠出型ETFの狙いとメリット」と言ったものを非常にマニアックに説明していただきました。

「Day0に証券会社は株式Basketを市場から〜」「Day1にはBasket借入申込と〜」「Day2にはBasketを借入れ、それを〜」のようにETF設定に関わる業務を日単位で各種パターンについて説明していただきました。
また、それぞれのオペレーションにおいてのデメリット(資金拘束が数日長かったり、現物/先物による不完全なヘッジ)などといった個人投資家としてはあまり意識しないような点まで説明していただきました。


●現物株拠出ETFにはETFの設定停止日がある
個人的に非常に興味深かったのは、ETFの設定停止日です。
株式権利日/権利落ちの関係で現物拠出型ETFだとうまく設定できない日があることを初めて理解しました。営業日ならいいつでも現物株を拠出してETFを設定したり、ETFを解約できるものだと思っていました。具体的にTOPIXのようなETFだと約70営業日ほどはETFの設定が止まるとのことです。

今回、上場インデックスファンド日経225(ミニ)でも採用した現金拠出型の場合は、このような制約が無く営業日ならいつでも設定できます。


●現金拠出型は少額で設定できる
現物拠出型で設定したい場合には、現物Basketを買うだけの多くの資金(TOPIXの場合は最低でも十数億円〜)が必要ですが、現金拠出型ではもっと小さい金額で可能ということです。


●ETFにとって大事なのは市場で価格が形成されること
ETFは株式市場の取引もありますが、OTC(店頭取引)も重要な市場です。そこで取引する大口の投資家にとっては市場で価格がついていることが重要とのことです。
そこで市場で価格をつけてもらうためにも取引しやすい金額に小口化して上場インデックスファンド日経225(ミニ)を設定した狙いがあるとのことでした。


●現金拠出型ETFも中身は現物
ETFの基本は現物株拠出型であり、現物拠出型ETFの中身は現物株であり安心です。
一方、現金拠出型の場合は現金拠出で設定されているので中身は……という声もあるかもしれないが、現金を貰ったらそれで現物株を買っているのでETFの中身は現物株になっているから安心してほしいとのことです。


●ETFで重要なのは指数との連動性で、そのためには分配金も出す
会議の中では上場インデックスファンド海外先進国株式(1680)が分配金を出したことについて質問がありました。これは配当要因などから指数より上振れしていた分を分配したという説明がありました。
個人投資家の中には」分配金など出さずに複利で運用してくれ」という声もあるかもしれないが、ETFは指数に連動していることが重要であり、配当をため込んで上振れすることは指数との連動性を損なって投資家が計画通りに投資を実行できなくしたり、空売り側に損を押し付けるというデメリットが大きいとのことです。


このETF勉強会は今回の参加者にとっては非常に有意義な内容だったと思います。
マニアックすぎて普通の投資家にとって有意義な内容であるかは少し疑問もありますが、それ故に日興アセットマネジメントのETFを何とかしたいという想いが伝わってきました。


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