日経新聞が日本版ISAに合わせて特集シリーズを組むようです。その第一弾が野村アセットでした。

野村アセット、リスクコントロール型を軸に展開
「日本版ISA」商品戦略点検(1)
(日経新聞)

 野村アセットマネジメントは日本版ISA向けに専用商品を決めるのではなく、個人投資家の経験や取れるリスクの大きさなどを考慮して「全方位」で商品提案する考えだ。一方で、運用会社の裁量でポートフォリオを動かす商品が多くの顧客に受け入れられると考えている。
変更のニーズに対応できる商品の1つとして、野村アセットが期待しているのが「ネクストコア」だ。同投信は「リスクコントロール型」と呼ばれるもので、ポートフォリオが抱えるリスクを常に一定水準に維持するように、組み入れ資産の配分や為替ポジションを機動的に変更する。目標とするリスクは5%で、年率5%程度のリターンを目指す。


野村のネクストコアについては3月27日の「「脱・預貯金」で資産守る お任せ型投信も選択肢」でも以下のような流れで取り上げられており、どうやら日経の"お気に入り"ファンドのようです。
 ・インフレが来ると預金が負ける
 →購買力守るには投資でしなきゃ
 →値下がりリスクが少なく安定的リターンが期待できる商品がいい
 →そこで野村の「ネクストコア」


本題に戻ります。
日経の記事によるとネクストコア年間リスク5%で年率5%のリターンを狙うとのことです。これって凄くないですか?

先日の記事でも紹介しましたがGPIFでは国内債券のリスクを5%強と想定しています。保守的かもしれませんが、このような見方もあるわけです。
そんな中、5%のリスクで5%のリターンを狙うというのは非常に野心的です。いったいどうやってリスクを5%に抑えつつ5%のリターンを狙うのか。

なお、付け加えるべき重要な点として、ネクストコアのコストは以下のようになっています。
 ・買付手数料:2.1% (1000万円以上だと割引とかもありますが…)
 ・信託報酬:年1.4175%

先ほどは5%のリスクで5%のリターンを狙うと書きましたが、実際には信託報酬1.4175%がパフォーマンスを押し下げます。(その他の信託報酬外のコストもかかります)

余計なお世話と言えばそうなのかもしれませんが、リスクを5%に抑え込んで保有期間にかかるコスト(信託報酬1.4175%+その他コスト)+買付手数料を取って、それなりのプラスのパフォーマンス出るんしょうか。

非常に気になる投資信託です。


※なお、目論見書を見ましたが「リスク水準を一定範囲内程度に抑えつつ効率的に収益を獲得する」としか書いておらず、リスク5%との記述はありませんでした。一定範囲なら20%でも50%でもいいわけで、これは不親切ではないかというのが私の感想です。


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