さて、「貯蓄から投資へ」「日本版401k」「証券優遇税制」といろいろやっていはいますが、笛を吹けど踊らずで投資は浸透しません。

投資への誘導そのものの是非もありますが、投資へ誘導したいのであればオプトアウト方式を導入してはいかがでしょうか?
【参考:杉田浩治氏のレポート】
米国の確定拠出年金30年の推移から日本のDCビジネスを考える
「自動加入方式」を採用する英国の新個人年金制度

例えば、企業型確定拠出年金のマッチング拠出を拡充した上で、上の資料にも書いてあるように従業員の拠出をオプトアウトにする。

今の日本の場合、企業型確定拠出年金への従業員の拠出は手続きが必要なオプトインです。これを逆転させて「デフォルトの手続き無しではマッチング拠出とし、拠出したくない場合には手続きが必要」とオプトアウト方式にすればかなり投資する人が増えてくるのではないでしょうか。

「オプトイン」「オプトアウト」は選択の自由という意味では同じです。
参加する/参加しないのどちらかがデフォルトで選ばれていて逆を選ぶには手続きが必要というだけであり、どちらも自由に選ぶ権利があります。
しかし、そのデフォルトを変えておくというだけで参加率を大きくコントロールできます。


「オプトイン」「オプトアウト」の影響力は臓器移植の臓器提供登録者の割合がよく物語ります。
ヨーロッパのいろいろな国では臓器移植が認められており、日本同様に臓器移植のために臓器を提供する/否の選択があります。
国によって臓器提供可としている人の割合が大きく異なります。しかも正規分布のような形ではなく、圧倒的に臓器提供賛成が多いか、圧倒的に臓器提供反対が多いかに二分されます。(90%vs10%程の違い)
これは国の文明・社会制度・宗教・文化の違いではなく、「オプトイン」「オプトアウト」の違いです。
自らが臓器提供に同意するために手続きが必要なオプトインの国では臓器提供者の割合が少なく、臓器提供に同意しない場合は手続きが必要なオプトアウトを採用する国は臓器提供者の割合が多いグループになっています。

【参考】
元本払戻金(特別分配金)では物足りない


「貯蓄から投資へ」で猫も杓子も投資に向かわせることは良くありません。しかし、あまりにも投資を毛嫌いして食わず嫌いというのもおかしな話です。企業型確定拠出年金のマッチング部分くらいはオプトアウトの形を取り入れても面白そうです。


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