「元本保証で年利回り30%の商品があります」

このような商品は、まず詐欺だとわかります。
元本保証で高利回りが事実ならばハゲタカのような投資銀行などがその投資先を放っておきません。
この手の商品は投資してはダメな商品で、投資する人は愚かという意見が大勢を占めるでしょう。


「リスクは多少ありますが、年6%の利回り」(日本の2012年現在)のような商品はどうでしょう?
より具体的にすると「当社の●●●に投資すると、Xというリスク、Yという少しのリスクがありますが、年6%の利回りです。先に説明したように多少リスクはありますが、▲▲▲でリスク低減を図っておりますし、今までの実績では大丈夫です。」

このような商品が難しい商品です。
宣伝文句そのものには嘘はない場合も多く、問題は多少のリスクをどれほどのリスクとして理解して投資しているかです。


未熟な投資家は、このようなリスクを過小評価していることが多いように思えます。
日本人は株式投資は損する可能性が大きい(リスクが大きい)と思っています。しかし、上のような商品の説明を聞いた時のリスクは株より小さいと思っている人も多そうであり、これが大いに問題です。

株式のリスクプレミアムは5%程度と言われています。長期金利が1%の世界で株式に期待される期待リターンが6%です。
推奨された投資商品の期待リターンが6%であれば、期待リターンは株式と同水準であり、普通に考えてリスクは株式並みを覚悟しなくてはならないことになります。(株式よりも低リスクで同程度のリターンが見込める素晴らしい商品ならば世の中のハゲタカ共が集まります)

「リスクが多少ありますが、年6%の利回り」という商品は、少なくとも株式と同程度のリスクを取る覚悟は必要です。(真っ当なビジネスをしているという前提の上で)株を買う感覚で「リスクが多少ありますが、年6%の利回り」という商品をとらえるのが正しいリスク認識です。


利回り3%や4%という投資話もあります。
しかし、「この程度なら大したリスクはないだろう…」と手を出すのは禁物です。年3,4%のリターンでさえ、今の日本の場合はそれなりのリスクを取らないと実現は難しいリターンです。
たった数%の超過リターンのために必要なリスクはそれほど低くありません。(いえ、本当は「たった数%の…」なんて言ってはいけません)


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