レイヤーがずれていて議論にならないことがよくあります。

例えば、あるチェーン店の1店舗のアルバイトの人件費の話をしているときに、「そんなことより、チェーン全体としての出店計画の影響の方が大きく、X店の失敗にかかったコストの影響の方が…」ということを持ち出しても話になりません。
そのような出店計画などのレイヤーの話が終わったのちに、各店舗の売上/コストのレイヤーの話になり、各店舗のコストのレイヤーの話になり…という流れです。そういうことは言わないのがお約束です。


投資信ブログを見ていても、残念ながらこのようなレイヤーがずれた議論がしばしば見受けられます。

●典型的な例
投資信託の信託報酬の高い安いという議論に対する「0.数パーセントの信託報酬の違いより、株価の上昇などの影響の方がはるかに大きいから、信託報酬のわずかな違いを気にしてもあまり意味はない」というような指摘です。これは投資信託の話でよく起こる典型例です。
各ファンドの運用の巧拙が投資信託の基準価額に対して数十%/年という影響を与えるのはその通りです。しかし、それは信託報酬とレイヤーが違います。そのような影響の違いは分かっての上で、信託報酬の高い安いを議論しているのです。


【余談】
インデックス投資ブログは基本的に落ち着いたブログが多いのですが、梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーはインデックス投資ブログの総本山的な存在として多くの議論が発生していました。
その中でコメント欄の廃止という結論に至ってしまったのは、残念ながらこの手のレイヤーが違うコメントが多かったことの影響も非常に大きいように思っています。


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