梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーバンガードが考える「投資の世界で最も一貫性のある現象」 にインスパイアされてのエントリーです。


「平均への回帰」

こんな言葉がありますが、誤解している人が結構います。
その誤解とは「期待される結果に対して、ある一定の偏りがあった時、次は今までの逆の結果が出て平均へ戻る」というようなものです。

【具体例】
 「コインを3回投げて、表・表・表となれば、次は裏が出るはず」
 「一昨日、昨日と株価が下がったから、今日は上がるはず」

しかし、平均への回帰とはそのようなものではありません。平均への回帰とは大数の法則によって起こる現象です。

コイン投げの例で言えば、10回投げて表が8回、裏が2回出たとしましょう。表の確率は80%です。では、このコインをあと990回投げて合計1000回投げた時に表は何回出るでしょう?
ほぼ500回になるはずです。
これは先の10回で表が多く出た逆の裏が多く出やすくなったからではありません。残りの990回では過去10回の結果に左右されずに表裏の確率が50/50だからです。
10回試行後の表の期待回数をより正確に言うなら503回(8+990÷2)になります。


もう一つ問題です。平均身長より大きな夫婦の子の身長はどうなるか?
 (1)親より大きくなる
 (2)親の身長と平均の間
 (3)平均より小さい
「表が出続ければ次は裏が出やすい」「下がった株価は上がる」という考えでは(3)平均より小さいになります。
しかし、(2)親の身長と平均の間が妥当な答えです。
親の遺伝子を考えると身長が高くなりやすい因子を持っていますが、それでも人類ということを考えるとすでに平均を大きく上回っている親より高い身長にはなりにくいということです。


株価がランダムウォークだとすると「昨日株価が上がったから今日は下げやすい(昨日下がったから今日は上げやすい)」という読みができません。サイコロや株価は前回に出た数字を覚えていないのです。

※株価がランダムウォークではなく、過去の結果を記憶しておりそれに合わせた値動きをすると考えるのがチャーティストです。このあたりはランダムウォーク理論をどうとらえるかの立場の違いでしょう。


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