非ケインズ効果について書いてみます。

先の今こそ消費税増税のビッグチャンスのコメントで、デフレ下の増税で経済回復はあるのかという話がありました。
そこから派生して、(デフレではありませんが)不況下の財政再建のための増税が景気回復に効果があるのかをちょっと書いてみます。


不況下の財政再建のための増税が景気回復に効果があるというのは、非ケインズ効果と呼ばれています。

財政危機が叫ばれている状況下で減税や財政出動をしても、将来の財政破綻を懸念して自己防衛のために財布のひもが固くなり景気が悪くなる。
逆に財政再建に強くコミットすると、将来の財政破綻の懸念が後退して消費が増える。

簡単に言うとこんな内容です。
過去にはデンマーク、アイルランド、スウェーデンなどで観測された現象です。

日本にも通じるところがあるのではないでしょうか?
「少子高齢化」、「巨額の政府債務」、「年金の積立金不足」などを目の前にすると、老人になる時にまともに老齢年金などもらえないのではないかと不安視する現役世代も多数います。実際、政府も給付額引き下げや給付年齢の引き上げなどを検討しています。
そうすると、自分の老後資金は自分で確保しなくてはと考え、貯蓄に励む人が増えて消費意欲が減退します。将来の老後資金の不安から投資をしている現役世代も多いでしょう。(私も老後資金は当てにしていません)
不安になって貯蓄するからこそ景気が悪くなるという合成の誤謬です。


財政再建が強くコミットされて信頼されれば、日本でも財布の紐が緩む可能性は十分に考えられます。

とはいえ、今の日本政府が「僕たちはちゃんと財政再建するから増税していいよね」と言っても財政再建がなされると信じる人は少ないでしょう。党内や野党の反発にあい、近視眼的な世論の反発にあい、官僚の反発にあい・・・とするうちに骨抜きになってしまうと思うのが、多くの人の心理だと思います。


私も今の政府を信用はできません。
ただ、アプローチ次第では消費税引き上げなどを支持してもいいとは思っています。(配偶者・扶養控除等の控除から給付へ、子供手当等の所得制限廃止、生活保護の収入認定額の減額及び支給額の引き下げ、年金支給額の即時引き下げ等々)


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