ここで、何故インデックス投資をするのかを書いておきます。なお、理由1〜5は直列で1から順に流れます。

理由その1:人間社会の発展を信じている
内戦状態の国のように対立相手から富を略奪することもあります。
独裁国家では支配下の人民から富を搾取する独裁者もいます。
また、1人の個人として他人から全く富を奪わないという人はまずいないでしょう。

しかし、それでも人類は豊かになるために新しい富を生み出すと信じています。
科学が発展し便利になりました。公衆衛生環境が改善し、栄養学や医療が発展したことで人とは長生きできるようになりました。先進国における小さい子どもの死亡率低下は目を見張るものがあります。
昨今の経済危機で批判をされる自由主義経済ですが、経済の自由化によって途上国の貧困人口は大いに減少しました。先進国諸国で批判されている強欲資本主義すら世界の発展に寄与しています。
豊かになりたいという人類の欲望と授かったちょっとばかりの叡智は、差別や戦争なども生みながらも総合的には人類を豊かな方向に進めていくと信じています。


理由その2:企業活動は人類の発展のエンジン
世の中の経済的行為の全てを企業が行うわけではないが、多くの生産・サービス活動は企業を介して行われます。企業活動は人類発展の大きなエンジンです。
そこで、企業の出資/貸付という投資が有望であると考えます。


理由その3:上場企業/公募投信等への投資が簡単
理屈の上では世界中の企業へ投資することが、人類時の発展を取り込む方法としてはいいのかもしれませんが、現実的には無理です。
企業も非上場企業は無数にあって上場企業が全てではありませんし、公募投信でもすべてをカバーしているわけではありませんが、ある程度カバーされており、上場企業/公募投信等への投資が現実的な落としところです。


理由その4:株式/債券市場は極めて効率的で何が有望かが分からない
株式市場や債券市場は世界でも注目が高い市場であり、多くの参加者が参加しています。また、株式の売買など今ではマウスクリックで瞬時に終わってしまうもので極めて効率化が進んでいる市場です。

一般のビジネスの世界では、商品の発注から受け渡しまでのタイムラグや商品管理の問題などから、完全に効率化されているということはなく、様々な裁定のチャンスがありそうです。(進歩が著しいAmazonですら商品を購入した場合、どんなに早くても商品が到着するまでに数時間はかかる)
しかし、株式市場や債券市場は極めて効率性が高い市場であり、そこで自分がうまく他人を出し抜いて儲けられると考えるのは難しいと思っています。効率性の高い株式/債券市場で有望な方法論も語られておらず、ここで勝負することは難しそうです。

そんな効率性が高い市場でうまい機会を見つけようとしてもいいのですが、それよりも十分に裁定機会が残っている非効率的な市場で見つける方がよいと思っています。
資産規模が大きくなると難しいですが、割安買い/割高売りなら実物資産(Goods)のebay⇔ヤフオクなどの方が簡単です。せっかく頑張るのであれば、月20万円程度までは様々な商品の国際価格の裁定取引の方が確実でしょう。大相撲本場所の取り組み表が海外で高く売れたり・・・といろいろな機会はあります。年240万円の利益といえば、株式投資で言えば4000万円の元本で6%の年利回りに相当します。


理由その5:効率的な市場だからこそ平均狙いのインデックス投資
理由4の延長ですが、積極的に運用する人のパフォーマンスの平均が(ほぼ)インデックスです。 (参考:『アクティブ運用が平均狙いのインデックス運用に勝てない理由』)
他人を出し抜く手段が明確ではない効率性が高い市場では一生懸命頑張ってもパフォーマンスを平均より上にすることは難しいとなります。

では、どこでパフォーマンスを改善するかと言うと、分散によるリスク低減コストでしょう。
分散投資をすることで期待リターンを下げずにリスクを下げられます。また、税金を含めたコストは最終的なリターンを低下させます。
そこで、分散が効いており、比較的低コストなインデックスファンドによる運用を選択します。
インデックスファンドを支持する理由として小難しい理論やデータを用いる法もありますが、それはあまり重要ではありません。このようにもっとシンプルな理由です。

※同じようなことはより分かりやすく山崎元氏がインデックス投資ブロガーの水瀬ケンイチ氏との共著である『ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド』の中で【インデックスファンドが「負けない」理由】として語られています。


ですから、「世界の発展を取り込むスタイル」「インデックスファンド以上に分散されている」「インデックスファンド以上に低コスト」であれば、アクティブファンドであれ、別の投資手法であれ、そちらに乗り換えることも検討します。(投資信託が個別株を買いつけているいるように、資産規模が大きくなった時には個別株を直接と買うなんて方法もありでしょう)


※インデックス投資 = 「株式・債券・REITなどの市場で提供されているインデックスに連動することを目標としたインデックスファンドを使い、世界の幅広い国や市場に分散投資し、原則として長期的な買い持ちで投資するスタイル」とします


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