半値になっても儲かる「つみたて投資」』は2010年12月に出版され、当時は多くのブログで取り上げられた本です。

この本は、非常にお勧めしたい投資本です。

先に断わっておくと、投資理論については大したことは書いておりません。
以下のようなインデックス投資本の大御所と比べると投資理論については何も書いていないに等しい本です。
 ・『インデックス・ファンドの時代―アメリカにおける資産運用の新潮流
 ・『ウォール街のランダム・ウォーカー
 ・『敗者のゲーム

しかし、とても価値のある本です。
タイトルにもあるように「つみたて投資」に特化していることがこの本の最大の功績を生み出しています。
小難しい投資理論は置いといて、ひたすら積立投資に特化しており、他の投資本には書かれていない積立投資の効果が書かれています。
積立投資においては、「将来的に値下がりが予想されている資産に投資しても儲からない」が成立しないということです。

一括投資による10年後の運用成績であれば、運用開始時点と終了時点の価格を比較して、上昇していれば利益で、下落していれば損失です。

しかし、積立投資の場合はこれが成立しません。10年後までにどういう軌跡を描いたかによって損益が変わります。
今、基準価額1万円で毎月定額の積立投資を開始して「10年後に1万5千円になっていたとしても儲かっているとは限らない」「10年後に5千円になっていたとしても損しているとは限らない」のが積立投資です。

詳しくは本に譲りますが、このような値動きの軌跡に投資することが積立投資だという点を示唆してくれる本は数少なく、非常に価値がある本です。


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