思考実験エントリーです。
私の好きな子ども手当を題材に使わせていただきます。

子ども手当へ「酒やタバコやギャンブルやブランド物などに浪費してしまう親もいる」という批判があります。
「だから、そういう無駄遣いができない保育園の整備などに使え」という意見が続くことも多い。しかし、そうでしょうか?

子ども手当を浪費してしまう親もいるでしょう。どれだけの比率かは分かりませんが、仮に5%としましょう。そうすると子ども手当を1兆円配るとそのうち500億円が無駄になります。

では、その分を保育園その他の公共物の提供に使った場合はどうでしょうか?本当に100%有効活用されるのでしょうか?
道路建設でも当初の予定通りの利用者が見込めないケースもさんざんあります。
保育所の場合は、土建屋の利権のしがらみが少ないでしょうから道路ほどは無駄は無いと思いますが、それでも無駄は発生します。これは行政の非効率性が悪いという面もありますが、どうしても発生する無駄です。
民間企業が身銭を切って事業で投資する場合でも、当初の思惑通りに進まずに無駄になることはよくあります。

単純に考えると「全額が子ども為の保育所建設や保育所の設備や器具購入に使われた」ということだけで100%有効活用されたと思うのかもしれません。しかし、保育所であれ他の子ども関連施設や設備であっても、誰も使わない橋のような無駄が存在するのです。

子ども手当でも設備投資でもどちらでも無駄は存在するのです。そこを理解して議論されるべきでしょう。


おまけ
都心では保育所も不足していますし、子育て世帯の家計は厳しくなっています。どちらにも支援は必要でしょう。
そんな中で予算が限られている時、どう使うかは、どちらの方が無駄が少ないかやどちらが足りないかというバランスを考えて選択されるべきです。
一方にだけ無駄があるという話では議論になりません。


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