昔も「こんなエントリー」や「こんなエントリー」や「こんなエントリー」を書きましたが、そのテーマです。

インフレが起こると現金の購買力が下がります。これは事実です。
しかし、「預金していてもインフレが起こると実質価値が目減りしてしまう。株や金や不動産はインフレに強い。だから株や投資信託や金やREITなどに投資しなといけない」と言うのは誤っています。このような詐欺師の言葉に騙されないようにしましょう。

預金がインフレに弱いというのは事実に反します。

何度も紹介していますが、Diamond Onlineのこの記事【図表1】1年定期金利と物価上昇率の推移を見ると一目瞭然。
金利自由化後は金利は基本的に物価水準に合わせて動いています。物価が上がれば預金金利も上がります。

これはカネの貸し手の立場になるとよく分かります。
1年間のインフレ率が5%と予測される時に、年率2%で貸す貸し手はいません(善意の貸し出しや愚か者は除く)。これではリスクを冒してお金を貸したのに1年後に返ってくるお金の価値は1年前より減ってしまいます。
お金を貸すという行為は金利収入がインフレ率と同等以上になって成立します。
実際、アルゼンチンのハイパーインフレではインフレ率の上昇にあわせて預金金利も年率数千%まで上昇したと言います。

上の【図表1】1年定期金利と物価上昇率の推移の1980年以降の物価上昇率と預金金利の推移の通りで、購買力を減らしたくないだけなら1年定期預金は立派な対象です。


なお、個人向け国債10年(変動)は金利算定方式が「10年固定-0.80%」から「10年固定×0.66%」になったので、インフレ耐性力は著しく落ちています。資産価値を守る投資対象としては勧めにくい商品になりました。


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