安倍総理から続いていますが、ダメ(と烙印を押された)総理を辞めさせるのが日本人の流儀のようです。
まあ、これが気に入りません。

内藤忍氏なども書かれていますが、総理というポジションはダメだったら辞めさせればいいものではありません。大事なのは次に誰がいるかです。例え、今の総理大臣の能力が低くても、その人より良さそうな人がいなければ消極的に選択しないといけません。

これはフットボールチームの選手采配とも同じです。
私が指導するチームでもミスが多いキーパーもいます。コーチとしては歯がゆい思いもしますが、彼をキーパーから外すことはできません。それはミスが多いキーパーでも彼より良いキーパーがいないからです。
選手采配をする時には、フィールドに立っている選手だけを見て引っ込める判断はできません。あくまで交代となる控えメンバーとの比較が重要です。

総理大臣を替えるときも「ダメだから替える」のではなく、「より良い人がいるから替える」という発想でないと失敗します。


日本人はこういう消極的選択は苦手ですね。
世界でもトップクラスに裕福な国で育っていることが原因かもしれません。「お上」というように政治のことは全知全能な神のような存在を夢みているせいなのかもしれません。複数の要因があるでしょう。

しかし、好きではない物事から1つを選択するという行為は苦手なようです。

総理大臣に限らず選挙においても「投票したい候補者がいないから投票しない」という人がいます。これは「投票して欲しいなら俺様が投票したいという候補を立てやがれ。俺が投票しないのは俺が気に入る候補者を出さない政党たちが悪い」ともなります。
これまた傲慢とも取られかねない意見です。日本は民主主義国家であり国民主権です。主権が国民にあるということは自分達で国を作っていくことを意味します。国の方向性をどうするかなどは自分で考えないといけないのです。
しかし、上のような「俺は気に入ったものがあればそれを選ぶだけ。気に入るものを持ってこい」というのはどこぞの王様状態です。

言っている本人はそんなつもりはないのかもしれませんが、「好きなことじゃないとやりたくない。嫌いなものの中から選ぶのは嫌だ」というのは日本人の傾向でしょう。
しかし、現実に選択せざるを得ない局面でこれをやられると拙いですね。


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