「公務員の給与が高すぎる」という話もよく聞きます。

少し古いですが、ここにあるような数字で、上場企業平均よりも高いなんて、というような批判もあります。
計算を間違えていなければ公務員の給与が民間より高くなるデータが出ても間違っていません。しかし、データをどう解釈するかは別問題で、即「民間並みに引き下げろ」という結論に達していいものか疑問に感じています。

日本が好景気だったバブル時代に戻ってみると、民間が高給取りで公務員は不人気職種でした。地方公務員は人が集まらず必死に人材募集をしていたと聞きます。民間は景気に連動する形で給与が上がっていったにもかかわらず、公務員はそれについていけなかったのです。
バブル以降の日本は逆に不景気であり、それに合わせるように民間企業の給与は下がっています。
単純に以下のような仕組みでしょう。

・好景気では民間が有利
・不景気では公務員が有利

不景気が続いているからディフェンシブ株や公務員の方がパフォーマンスがよくなりがちということです。公務員の給与が良くなる条件の時に公務員の待遇について文句を言うのであれば、好景気の時の公務員の待遇について文句が言われるべきでしょう。好景気を謳歌して「公務員なんかになる奴は落ちこぼれ」のように言っていた民間が、不景気になると公務員の給与はおかしいということが正しいのでしょうか。
公務員の給与を引き下げろという主張があってもいいですが、単純に今の条件で民間より高いというだけでの批判はアンフェアです。

また、好景気になると公務員人気が衰えて人材確保に困るというケースも考慮されないと国家運営上まずい。今の待遇でさえも景気がよくなれば人材が集まらない中で、どうやって公務員の人材を確保すべきかを考えないと問題になります。


== 2011/5/2 0:50追記 ==
予定外に人気エントリーとなったので、続編を書きます。


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