先日、中国のGDPが日本を抜き世界第2位になったということが大きく報じられました。
多くの報道において(特に見出しは)「中国が日本を抜き第2位。日本は3位に転落」という論調になっています。これは読者をひきつける為には正しい切り口です。

しかし、問題の本質はそこではないでしょう。国別GDPの順位が上下することはそれほど問題ではありません。

過去のGDP2位と3位の入れ替わりは1968年です。日本がドイツを抜いて2位になりました。その後日本は成長を続けドイツとの差を広げてきました。IMFによると2009年時点の日本とドイツの名目GDPは下記の通り、日本は約1.5倍の差をつけています。
 ・日本:5,068.89億ドル
 ・ドイツ:3,338.68億ドル

このように日本はヨーロッパ諸国を追い抜き突き放してきました。しかし、この順位や差にどれほどの意味があるのか。
日本人が幸せでドイツ人が不幸なのか?
日本経済とドイツ経済はどちらが健全か?
日本経済とドイツ経済はどちらが競争優位か?

国別GDP順位はあまり関係ありません。

日本が直面している問題は中国に追い抜かれたことではありません。中国などが成長する中で日本の成長が停滞していることそのものが問題なのです。

ドイツは日本に追い抜かれ1.5倍もの差をつけられました。GDPの順位や差が国の経済の状況を反映するならば、1968年から1.5倍もの差をつけた日本が経済的に困っていればドイツは悲惨なはずです。しかし、現実は違います。GDPの順位や差は大きな問題ではありません。
重要なのは成長があるかです。


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