「デフレは経済にとって悪いことだ」は、一般的にほぼ正しい説でしょう。

しかし、時々本来の趣旨を外れて使われていることも感じます。
それは、特定の業界・モノ・サービスの名前を挙げて、その価格が下がっていることがデフレの証左で良くないという主張です。テレビでは牛丼やユニクロに代表されるファストファッションなどがよく取り上げられた印象があります。

しかし、ここには違和感を感じます。

例えば液晶テレビを考えます。液晶テレビが登場した頃は、価格が今の何倍〜何十倍もしました。今は明らかに価格が下がっています。
他にも海外旅行を考えましょう。数十年前には所得水準は今より低いにもかかわらず海外旅行は今の何倍もした時代がありました。
このような一部の金持ちだけが液晶テレビを買って海外に行けた時代が今より豊かなのだろうかと聞かれれば、答えはNOです。

昔にならって日本-ヨーロッパ往復がエコノミークラスを80万円にすれば良いとは言えません。航空運賃の低下は経済全体に良い影響を与えています。人の交流だけでなく、物流コストも安くなり、より多くのモノを輸入して安く購入できるようになりました。

技術革新や発展によって生産コストが低下すれば、仮にそれによって多少所得が減ってもそれ以上にモノやサービスの価格が下がれば購買力は増します。イノベーションが無いのに全体的に価格が下がっているのであれば問題ですが、イノベーションのために個別商品・サービス価格が低下している場合は、経済や生活にとっていい影響を与えている可能性があるでしょう。


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