ダラダラ全文記事なんていらない――Webメディアの死角
徐々に開放され始めた記者会見に、フリージャーナリストやWebメディアが参入し始めている。ただ会見のすべてをダラダラと書いているだけ、または延々と会見を中継する手法には疑問を感じるのだ。
Business Media誠で見つけた記事。

要約すると、「会見の全てを文章にしたり、そのまま流すような報道はあまり価値がない。マスコミは情報を取捨選択し、その大部分はボツにして世間に伝えられないようにして、一部の情報だけを編集して世間に発信すべき」という主張です。

これはただのマスコミ人の傲慢


。「寝ている議員が多すぎる」の言葉通り、カバーしている記者も必死に眠気を堪えているくらいだから、仕事が絡んでいない一般視聴者が面白いはずはないのだ。
マスコミ人に一般視聴者が何を求めているのかが分かるという思い上がりです。


 全文記事や全中継が支持を集め、商売になると考えていれば、既存の新聞やテレビがとっくにビジネスにしていたはずだろう。
既存メディアが全文記事や全中継をできたはずもない。彼らは情報の一部を抜粋して編集して伝えることで、本当の会見の内容ではなく、マスコミにとって都合のいいものに変えていたのだから。
麻生元総理の株屋発言なども前後を切り落とすことで全く違う印象を与えさせたし、東国原知事に対して記者が「何を選択するかはわれわれの編集権」と言い、知事が県民に伝えたいと思っているメッセージさえも取捨選択する権利はマスコミにあると主張した事件もあった。
こんな既存マスコミが全文記事や全中継をしたら、自分達の都合のいいように誘導できなくなる。
だから既存メディアがこれをビジネスにできたはずが無い。


国会テレビだけでなく、担当を任されていた外為市場に関連するような他省庁の会見にも顔を出したが、その多くはボツ。つまり、ニュース価値がない会見も少なくなかった。ただ、担当記者とキャップ、そしてデスクが責任を持ってボツにするのだから、中身のない会見が世間に伝えられることはないのだ。
こうやってマスコミが選別し編集した"ニュース"だけが世間に伝えられ、本当にその人が発言した真意はどこかへ追いやられてしまっていた。

だからこそ、マスコミが編集して報道している内容が事実なのかを検証するために全文記事や全中継が必要です。
麻生元総理の発言の真意がマスコミの言う通りだったかを検証するためにも全中継があることが重要でいた。マスコミはあたかも麻生総理(当時)が株式投資をバカにしているかの論調で報道していていたが、全中継を見るとそんなことはなかった。


メディアの責任という名の下に情報を歪めて報道する輩がいるから、全文記事や全中継は必要なのです。

しかも、相場英雄氏のように、堂々と「マスコミは国民の求めるものが分かっている。マスコミは情報を選別し、その多くを闇に葬り去り、面白いものを伝えればいい」というような人がいるようではなおさら全文記事や全中継は必要です。


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