ここ数日はSENSEXの上昇が目立つのですが、これはインド政府の予算の影響なのでしょうか?


簡単なまとめが、楽天証券の広瀬隆雄「新興国投資情報レポート」にありましたので、メモ。

第203回 インド政府が2010/2011年度の連邦予算案を発表
先週金曜日にインド政府が2010/2011年度の連邦予算案を発表しました。インドの株式や債券市場は概ね今回の予算案を好感しています。
今回の予算案の特徴を一言で総括すれば、貧困層にとりわけ配慮した内容になっているということです。予算のハイライトは:
1. 予算総額は11.08兆ルピー(約2,400億ドル)
2. 財政赤字はGDPの5.5%(今年度は6.9%)
3. 借入額は4.57兆ルピー(約990億ドル)
となりますが、地方、とりわけ農業部門への支援が維持されています。
具体的には貧困層への支援(inclusive growth)として栄養素に基づいた補助金の支給を提唱しています。これは農産物への需要を増やすという意味で農業部門を助けると思われます。
また貧困層にとっては有利な税制の変更が加えられています。具体的には低所得者層のブラケット(所得階層)で直接税を減らし、その分、消費税を増やしています。
一方、歳出面でも株式市場が歓迎する項目が盛り込まれています。例えば発電施設の倍増計画や道路整備などの予算は積み増されており、これらのインフラ投資は株式市場で材料化しやすいでしょう。
一方、借入れは去年より少し増えます。インド政府は政府系企業を民営化し、株式を売り出すことで90億ドルの費用を捻出する予定です。
さて、政府の長期的な課題として起業家や外国企業にとってビジネスをやりやすい環境を作るというのがあります。具体的にはタックス・コードの簡素化への取り組みなどがあります。
またITセクターに関してはこれまで実施されていたタックス・ホリデーが無くなったので、ネガティブな内容になっています。インドのITセクターは輸出の約25%、GDPの5%を稼ぎ出し、直接・間接的に1,000万人を雇用しています。

コラム中にもあるようにインフラ投資増大は株式市場は好感しそうですね。インフラが貧弱なことが弱点といわれるインドですから、それが解消するだけでも大きく歯車が回りだします。

ただ、投資した資金がが効率的に回らないのも新興国の特徴です。

取らぬ狸の皮算用にならないことを願います。


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