サラリーマンの場合は退職金・企業年金があるところがあります。
この制度は私の会社にもあります。


しかし、この制度があることを考えた時、ポートフォリオとの関係を悩んでしまいます。


確定拠出年金は比較的簡単です。通常の投資と同様にポートフォリオに組み込んでしまいます。運用商品が投資信託や元本保障の定期預金・保険であり、基本的には通常の投資と同じく考えて良いと思います。
大きな違いは、確定拠出年金は(1)課税されないこと、(2)引き出すことができないこと、がありますが長期投資のポートフォリオとして考える時にはあまり大きな影響はありません。




悩んでいるのは、一応確定給付年金に分類されているキャッシュバランスプラン


キャッシュバランスプランでは、法律上は利息付与額の計算として以下の4種類が認められています。
 (ア)  定率
 (イ)  国債利回り等(消費者物価指数や賃金指数も可)
 (ウ)  (ア)と(イ)の組み合わせ
 (エ)  (イ)や(ウ)に上限、下限を設定したもの


定率にするなら従来の確定給付年金でいい気がするので、この中で(ア)定率だけを選択している企業はあるのだろうか・・・という疑問がわいてくるが、それはここでは置いておきます。
私が今勤める会社のキャッシュバランスプランでは国債利回りを参考にしています。上限、下限も定められているので、上記の区分では(エ)に該当します。


さて、上記条件のキャッシュバランスプラン。付与される利息が国債利回りを参考にしているということは、バブル時代のように国債利回りが高い時にはキャッシュバランスプランの利回りが高く、バブル崩壊以降のゼロ金利時代のように国債利回りが低い時には利回りが低くなります。
毎月積み立ててられているので、日頃の投資信託購入と同じようなモノです。
そうすると、国内債券アセットとして考えていいようにも思います。


しかし、上で"いいようにも思います"と書いたように、「キャッシュバランスプラン=国内債券アセット」とは素直に言えません。

≪気になる点1:短期的な動きが国内債券アセットと逆≫
国内債券では金利が上昇すると債券価格が下落する、つまり損失になります。
しかし、キャッシュバランスプランの場合は金利が上昇してもキャッシュバランスプランの積立額価格は下落せず、金利上昇分だけその後の利回りは増加します。
金利が低下した場合の動きも同様です。

≪気になる点2:上限があること≫
キャッシュバランスプランで利率の上限がある場合、インフレ率がある程度以上高くなった時に、そのキャップ制度によって国債利回りを大きく下回ることもあり得ます。


1点目に関しては、長期的には国内債券もキャッシュバランスプランも金利変動のメリット・デメリットも共に受けるので、あまり気にすることは無いと考えています。
しかし、2点目は無視できません。インフレ率が高くなった時に利回りが低下するどころか実質で価値が下落することさえあると考えると、国内債券と同じように考えることをためらってしまいます。


現在の低金利状況下では、あかたも国内債券アセットのように考えて良さそうなのですが、長期的には悩んでいます。


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